
昨年9月末に私が何の前兆も無く見舞われたのが腸閉塞。3日間入院することになったけれど、
腸閉塞はアメリカの急性腹痛入院の約15%、緊急手術の約20%を占めるほど多い症例で、原因は様々。
私は手術にはならなかったけれど、入院中は何も食べられないので退院時には体重が2.5キロ落ち、その後3日の流動食で更に0.5キロ減少。
でも全く喜べなかったのは身体があっという間にブヨブヨ、プニャプニャになって筋肉が落ちたこと。年齢を重ねてから寝たきりになる恐ろしさを痛感したのがこの時。
そして退院してから無くなったのが、それまで夜中に時折経験した俗に言うこむら返り。私の場合、吊ってしまうのは必ず右足。もう1つ無くなったのが睡眠が深くなる直前に
突然息を大きく吸い込んで目覚める症状。「睡眠時無呼吸症候群になるのかも…」と気にしていたところ、退院後はパタリとストップ。加えて血圧が上下とも約10ずつ値が下がったけれど、
いずれも腸閉塞によって改善したとは思えないものばかりなのだった。
それより「腸閉塞はリピーターが多い」と聞いた私は原因を調べて、早食い、よく噛まない、繊維質の取り過ぎを反省。さらに周囲からアドバイスされたのが
過去約10年以上続けた1日1食の食生活を改めて、1日3食を食べること。
素直に実践した私は、朝は納豆、味噌汁、もち麦入りご飯、梅干しなどの日本食、昼はフルーツ&ヨーグルト、ゆで卵やツナ等のタンパク質、夜は従来より食べる量を減らす形に
切り換えたところ、何が起こったかと言えば体重増加と生活の悪化。
そもそも私は出来合いの物や加工食品は食べないので、1日1食、週に7回しか食事をしていなかった時でも食材の買い出しや料理の下準備に掛かっていたのが手間と時間。
それを1日3食にしたことで朝は40分早く起床。日中は最も頭がクリアで仕事が捗る時間帯にランチ・ブレークを挟むことになり、3食生活によって完全に狂ったのが私の食欲ホルモンの分泌。
過去15年以上食べて来なかった朝食を採ると、空腹感と食事のタイミングがズレてし、食事が楽しめない割に、高まったのが朝晩の空腹感。
結局、基本体重より1キロ増え、便通が以前よりスムーズでなくなったのを受けて、朝はコーヒーだけの1日2食にしたところ、
便通も仕事のペースも大幅に改善。食事も楽しめるようになり、ようやく体調が本調子に戻ったと実感出来たのだった。
欧米で1日3食の習慣が生まれたのは、18世紀後半からの産業革命により工場労働者が増え、出勤前に朝食、勤務時間の休憩に昼食、就業後に自宅で夕食を取る習慣が定着して以来。
糖尿病の分野で最も権威あるドクターの1人で、自ら2型糖尿病を食生活改善で克服したデヴィッド・アンウィン博士は、
「血糖値安定のために朝食を食べるべき」という意見には反対の立場で、67歳にして今も多忙な彼の食事は1日2回の日もあれば1回の日もあるとのこと。
現在多くの人々が実践する1日16時間のファスティングには肯定的であるものの、彼はファスティング(断食)とスターヴェイション(飢餓)は異なるという意見。
消化器官を休ませ、脳をクリアにしてオートファジーを促すのがファスティング。食欲と闘ってストレスを溜めて、空腹で生産性を失うのはスターヴェイション。
朝食を食べることを薦めるドクターほど空腹の反動の大食いを警告するけれど、
空腹のストレスが無いファスティングを実践している人は反動の大食いをするメンタリティにはならないだけでなく、ホテルのビュッフェや食べ放題のように
胃に必要以上を詰め込むアクティビティには興味を示さなくなるもの。
また私が知る限り1日3食を奨励するのは年齢が40代以下の比較的若いドクターが多く、
確かに消器官が未だ元気で、沢山食べることで苦しくなるより満足感を味わえる年代は1日3食が意味を成すケースが多いのは事実、逆に食事を抜くとスターヴェ―ションになって、
ファスティングには到達しないのが若い世代。年齢を重ねて50代以降になると、食欲や性欲を司るドーパミンの分泌量が減ってくるので、
若い頃より食べ物に固執しなくなり、楽にファスティングが出来て、反動の大食いもさほど心配する必要はないのが実情。
私自身はYouTubeビデオのドクター・アドバイスは本人の年齢やルックスを考慮しながら聞くようにしていて、特に年齢に伴う身体の変化については知識として頭に入っていても、
実際に歳を取ってみないと分からないこと、実感できないことが沢山あると思うのだった。そして年齢を重ねれば、重ねるほど長年の食生活や環境、運動量などで個人差が広がるので、
簡単に年齢で括って、テキストブック通りの判断をするのは極めて非現実的。
アメリカでは既にバイオロジカル・エイジ(生物学的年齢:身体能力で測られる年齢)とクロノロジカル・エイジ(暦年齢:生年月日による年齢)を
分ける考えが一般に広がっているけれど、バイオロジカル・エイジを含む自分の身体、体調をデータとして把握し、管理しようというのが近年のヘルス業界を席巻し、
アメリカのヨガ・ブームを衰えさせたバイオハッキングのトレンドでもあるのだった。
近年では体調管理の裏技が”XXXXハッキング”として、TikTokなどのSNSでトレンディングになって久しいけれど、私が2ヵ月ほど前から取り入れたのが2つのタイム・ハッキング。
1つ目はCUBE New Yorkの以前の記事でもご紹介した「サーカディアンリズム(体内時計)ハック」で、これは早い話が18時間ファスティング+早めの夕食によって老化のリバース&健康促進を図るというもの。私の場合、1日2食生活で既に18時間ファスティングは達成していたので、ランチとディナーのメニューと量を入れ替えて、昼にかつてのディナー、夜にかつてのランチを食べるようにしたところ、以前と全く同じ物を食べているのに6週間で1キロ体重が落ちたのだった。
もう1つは朝のエクササイズのハッキング。私には軽いダンベルを使ったウェイト・トレーニングや腕立て伏せ、ジャンピング・ジャックやストレッチ等、長年続けて来たエクササイズのルーティーンがあって、所要時間は平均45分、ボッとしている日は1時間近く掛かるケースもあったけれど、それをHIIT(ハイ・インテンシティ・インターバル・トレーニング)にコンバートして、
まず比較的簡単な運動を最初の10分間に纏めて行うことで準備運動替わりにして、残りのエクササイズを4分間比較的ハードに行い、1分休み、それを4セット行うというHIITのスタイルに落とし込んだところ、まず時間が約30分に短縮されただけでなく、汗をかく量が増えて、さらに変わって来たのが筋肉のコンディション。年齢が年齢なので、若い頃のように見た目の変化までは行かないものの、自分で実感できる効果は十分。同じエクササイズでも「4分を4セット」と考えると精神的にも楽で、朝に15分の余裕が生まれたのも大きな利点。
知り合いにこの話をしたところ、「エクササイズなら食後にした方が血糖値が安定するのに」と言われたけれど、実は私は食後の軽い運動は既に実践していて、
血糖値のための軽い運動と、体脂肪を落として老化を遅らせるエクササイズは別物。後者のベストタイミングは朝食前の空腹時と言われていて、エクササイズ開始直後から約10~15分続くフリーラディカルによるダメージが徐々にリバースされて、ミトコンドリアへの働き掛けが始まることで得られるのが本当のエクササイズの効果。定期的に30分以上の運動をしている人は
DNAをプロテクトするテロメア長さが保たれ、見た目の若さも維持されるのだった。
Yoko Akiyama
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執筆者プロフィール 秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。 Eコマース、ウェブサイト運営と共に、個人と企業に対する カルチャー&イメージ・コンサルテーション、ビジネス・インキュベーションを行う。 |


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