Aug Week 4, 2023
Toxic Positivity
婚前同棲で、相手を見極めて結婚しましたが…


恥ずかしながら、少し前に離婚をしました。僅か1年半の結婚生活でしたが、その前に半年ほど同棲していたので、元夫と一緒に暮らしたのはほぼ2年になります。 結婚前の同棲には両親は渋っていましたが、先に結婚した年齢が離れた姉が「一緒に暮らしてみないと相手の本当の性格なんて分からない」、 「離婚したくなかったら、一緒に住んでから結婚を決めるべき」と言っていたことから、両親を説得して一緒に住み始めました。
そしてお互いに「これならやって行けそうだね」と納得して結婚し、結婚式の際には元夫が「半年一緒に暮らして新婚生活の予行演習をして、これなら上手くやって行けると自信がつきました」と 挨拶していました。 でも、いざ結婚して夫婦として暮らし始めたら、義実家から”嫁”として扱われるようになり、 義家族の行事に参加しなければならなくなりました。 別に嫁いびりをされていた訳では無くて、義家族は良い人ではありますが、集まる頻度が多く、気を遣うので疲れてしまいます。 義実家絡みの行事で週末が1日取られるのが嫌で、「1人で行って欲しい」と言ったせいで、元夫と口論になったこともありました。
そして結婚後は元夫も変ってしまいました。 私達は子供が出来るまで共働きで、それまでは家事分担ということにしていて、同棲中は何の取り決めもしなくても、時間が空いている方が出来ることをするという感じで、 上手く回っていました。 ですが結婚してからは、元夫が徐々に家事をしなくなり、同棲時代のような気遣いが無くなくなりました。 出した物を「未だ使うから」といって出し放しにしたり、後でしまうからと引き出しや戸棚が開け放しになっていたり、洗面台の歯磨き粉がこびりついていたりと、 私が嫌いなことを頻繁に遣るようになって、要するにダラしない側面が出てきました。
私も我慢をするときもありますが、「もうちょっと気を遣って欲しい」と文句を言うと、「仕事で疲れている時はそういう話は勘弁してくれ」と逃げてしまいます。 それで一度我慢が限界になると、どうしても 感じている不満を纏めて言ってしまいますが、そうすると 「そんな済んだことを何時までも根に持って、グチグチ文句を言うなんて性格が悪すぎる」と言われ、 こちらが我慢したために未解決な問題が、いつの間にか夫の頭の中では済んだことに脳内変換されてしまうことが続いて、 最後には全く話が噛み合わなくなりました。
私が何を言っても聞く耳を持たずに、的外れで理不尽なことばかり言う元夫が 本当に馬鹿に見えてしまって、イライラするような口論や、水掛け論が増えてきました。 そして「やり直すなら早くしないと、子供が産めなくなる」と判断した私から離婚を切り出しました。
最初は「こんな言い合いくらいで離婚をするなんて馬鹿げている」、「大人の対応が出来ないお前が悪い」と言っていた夫ですが、 何度か口論をスマートフォンで録音して、それを実家と義実家に聞かせてからは、比較的すんなり離婚に動きました。

姉には「半年も一緒に住んだのに、相手の本性が分からなかった?」と言われましたが、そもそも私には男性を見る目が備わっていなかったようにと思います。 相手を見極めようとするのではなく、一緒に上手く暮らしていけるかだけを見ていたのも悪かったのだと思います。 よく考えると、私は同性の友達も 仲良くしていたら実は酷い人だった経験があるので、 男性だけでなく、人を見る目が無いのかもしれません。
秋山さんにアドバイスをお願いしたいのは、どんな点に気を付けると人の本性が見えるようになるかです。 未来の夫や友達など、人付き合いで失敗をしたくないので、もし私のように人を見る目が無い人間でも 出来ることがあったら是非アドバイスして頂けると嬉しいです。
このコーナーは大好きで何時も愛読しています。 アドバイスが頂けても、頂けなくても、これからも頑張って下さい。

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”結婚前提”の同棲よりも、相手の性格が分かるのは…


私は大学時代に数ヵ月、ファッションの小売店でアルバイトをしたことがあって、学生なので歩合制ではありませんでしたが、 一緒に働く正社員よりも販売成績が良かったので、雇い主に重宝がられていました。 その時に学んだのが、「効率良くセールスを上げるには、たとえ本人に似合わないデザインやカラーでも、買い物客が明らかに好んでいるものを薦める」ということでした。 セールス・トークでは「商品の欠点を買い物客が指摘する前に、やんわり伝えてしまう」のが大切と言われますが、 既に商品を気に入って、買うと決めている来店客は、こちらが商品の欠点を提示しても 「そのくらいは仕方ない」と それを軽視したり、時に「むしろそのくらいの方が…」などと、 欠点を美化してくれることさえあって、ショッピングにも「Love is blind」の心理が働くことを学んだのを覚えています。
いきなりこんな例を持ち出して恐縮ですが、結婚前提に同棲をするというのは、特定の商品を買うと決めてショッピングに出掛けるのと同じなのです。 細かい問題点があったとしても、既に結婚すると決めて、気持がそちらで固まっているのですから、相手の欠点や本性などがたとえ見えたところで軽視してしまいます。 男性でも女性でも、最初のうちは相手の「意見をきちんと言わない性格」や「子供っぽさ」、「何でも自分で決めるワンマンな性格」などを、「協調性がある」、「可愛い」、「頼りになる」と美化してしまうのはありがちです。しかし2年も経過すればそれらが「優柔不断」、「頼りない」、「身勝手で人の都合を顧みない」という欠点に感じられる訳で、 これは見る目の有無というよりも、相手に対する自分側の捉え方の変化に他なりません。

元ご主人は結婚式で「半年一緒に暮らして新婚生活の予行演習をして…」とスピーチしていらしたようですが、 実際にAさんの婚前の同棲はまさに予行演習、すなわちリハーサルだったのだと思います。 ですので結婚生活もリハーサルと同じ期間は、義実家とのお付き合いが加わったとしても、ほぼリハーサル通りに進んだものと思います。 早い話が 結婚前提の同棲生活や新婚生活というのは、「お試し期間」であり「非日常」なのです。遠慮をしたり、気遣ったりしながら、 相手のすることが 自分の好みや習慣と異なっても、理解が示せる状態で生活しているのです。 結婚前には 結婚というゴールのために、新婚生活では結婚の喜びや幸せを実感するために 人間は無意識の努力をしますので、よほどの性格異端者でない限りは、 この時期に上手くやって行けるのは当然のことなのです。

アメリカではむしろ、婚前に一緒に生活したカップルの方が離婚率が高いというデータが得られています。 特に長年一緒に暮らしたカップルが、結婚後は僅か1~2年で別れるというケースは全く珍しいことではありません。
結婚さえしていなければ、相手の家族とは無縁ですし、財産はもちろん、税金から保険まで全てを別々に管理していますので、 相手が嫌になれば簡単に解消出来る関係です。 ですが一度婚姻関係を結び、相手とコミットした関係になると、それまで自分の裁量で出来ていたことに相手の同意が必要になったり、 相手が異性の友達と出掛けるのが気になり出したり、義実家とのしがらみが出てきたりします。 加えて夫婦としての力関係、そこから生まれる競争心やジェラシー、プライド、所有欲といったものが影響してきますので、 長く一緒に暮らしていたカップルほど、そんな変化を嫌って別れてしまうケースが多いのは容易に納得できるところです。 要するに長年暮らして相手の性格を理解していたところで、お互いを巡る状況や環境が変れば、それで関係も変わってしまうのです。

加えて人間というのは一定期間一緒に暮らしたくらいで お互いの本性や性格が理解出来るほど シンプルで薄っぺらな存在ではありません。 それだけに、リハーサル期間を経て「これなら大丈夫」という過信や勝手な思い込みを抱いてしてしまうと、 相手に対する遠慮や新婚生活の新鮮味が無くなった段階で、「こんな人じゃなかった」、「こんなはずじゃなかった」という失望感を抱く結果になります。 「結婚を前提の同棲」で見極められるのは、お互いの味覚などの好みや、生活習慣程度だと考える方が妥当です。
それよりも「成田離婚」という言葉があったように、言葉が通じない外国に1週間~10日程度の旅行、それもリゾート地でくつろぐ旅ではなく、 ヨーロッパやアメリカの都市部で、自力で動いて観光をする旅をしてみる方が、相手の計画性や機転、判断力、思いやり、物の考え方等がしっかり把握出来るように思います。 特に内弁慶型の身勝手な男性は、外国の異なる言語やカルチャーの中で不便が続くと、柔軟性が無い頑固さや、思い込みや偏見に満ちた思想、直ぐにイライラしたり、 文句ばかり言う性格等を見事に露呈する傾向にあります。その場合、旅行は楽しめないかと思いますが、その相手と結婚して離婚をすることを思えば、 遥かに人生の時間とお金、労力が節約できると思います。

人を見る目、人生の確実な指針になるのは…

以前何度かこのコラムで書いたことがありますが、私の母はプロの占い師で、私は運命や運気の流れというものを 母からかなり学びました。
私が認識している知識では、人間の運は大きく10年単位で動いていて、その中に小さな波がありますが 運気が良い時は良好な関係に恵まれ、その関係を大切に継続出来る一方で、運気が悪い時ほど酷い相手にあっさり夢中になったり、簡単に気を許してしまい、 洗脳されたかのように価値観まで狂わされてしまうこともあります。 後者のケースでそんな悪い人間関係から解き放たれるには、運気の上昇を待たなければならないケースも少なくありません。 運気が落ちている時は正当な判断力が失われていますので、往々にして まともな判断力を持つ周囲の反対を押し切ってまで 結婚や契約等をしてしまいがちです。

それとは別に、人間は誰もが「自分の伴侶の星」という物を持って生まれてきます。 例えばAさんが結婚すると、夫になる男性はAさんが持っている伴侶の星の影響を多かれ、少なかれ受けることになり、同時にAさんは夫が持つ伴侶の星の影響を受けます。 夫が持つ伴侶の星が「妻は病弱」というものであれば、よほどの強運でない限りは 健康体な女性でも病弱になってしまいますし、 妻が持つ伴侶の星が「夫は不在」というものであれば、出張や単身赴任で常に不在になったり、最悪の場合は夫が早死にするケースもあります。 すなわち結婚とは、お互いが持つ「伴侶の星」によって 運気に影響を与え合う関係でもあります。 ですから結婚して相手が変ってしまった場合、それが自分の持つ「伴侶の星」の影響である可能性は否定できません。
また子供を産んだ場合は、その子供が親の運命を左右する星を持って生まれて来ることもあります。 例えば私の母は、英国王室のハリー王子が生まれた途端に当時のチャールズ皇太子とダイアナ妃の離婚を予言しましたが、 その理由はハリー王子が「両親が離婚している」という星を持って生まれて来たためです。
「そんなことが起こるのなら、誰と結婚しようと 何が起こるか分からない」と考える方もいらっしゃるかと思いますが、 実際にそれが真実なのです。 どんなに相手を見極めて、万難を排したつもりでも 生別・死別に見舞われる一方で、周囲が結婚時に「離婚まっしぐら」と噂していたようなカップルが 長く婚姻関係を続けたりするもので、私の友人は「結婚はギャンブル」とさえ言っているほどです。 私自身は、以前このコーナーで書いた通り、「結婚は運命」と考えています。 運命でない限りは、どんなにお互いが結婚を望んでいて、周囲に”お似合い”と言われたところで 結婚には行きつきません。 また通常は人を見る目が確かで 頭脳明晰な人物が、結婚においては相手を見誤る例は全く珍しくありませんので、結婚は運命としか言い様がないというのが私の意見です。

その「人を見る目」についてですが、私はこの能力は 「自分の本能」、「虫の知らせ」、「直観」、「ひらめき」に従って生きることだと思っています。 人間には誰にでも自分を守り、幸せするための本能が備わっています。 私はその本能のシグナルこそが人生の最も確実な指針だと言えます。
人間の判断力というのは欲望や感情、都合、見栄や体裁、競争心等によって簡単に狂わされてしまうのです。 上辺だけの好条件が並ぶ中で「何となくダメ」、「何かが引っかかる」というブレーキになってくれたり、 逆に問題が多い中で「それでもやってみる価値があるはず」という後押しになってくれるような「本能」、「直観」、「ひらめき」は 人が頭で思い描くよりも 遥かに人生の明暗を分けているのです。 特に2020年12月からこの先200年間続く風の時代は、それまでの土の時代のように検証やデータを積み重ねて結論を導き出すのではなく、 文字通り風向きを読んで 素早く判断して行動に移せる人ほど成功を収める時代でもあります。 その意味でAさんが素早く離婚に踏み切られたのは正しい決断だったと思います。
「本能」、「虫の知らせ」、「直観」、「ひらめき」は、人間に備わった能力なので意識的に活用することで鍛えることが可能です。 頭の中で余計なことを考えるのを止めて、日頃から直観に従って決断する習慣をつけると、徐々に第一印象で自分と合うものが見分けられるようになってきます。 そして自分に合うものに囲まれて生きるようになると、自分が受け付けない人や物を本能的に嗅ぎ分けられるようになってきます。
私は「本能」、「虫の知らせ」、「直観」、「ひらめき」に従って生きることは、自分よりずっと大きな存在、すなわち自分や自分の運勢を動かす宇宙の法則に従うことだと考えています。 もし神様という存在を信じるとすれば、それが「神の思し召し」なのだとも思います。

Yoko Akiyama


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。 Eコマース、ウェブサイト運営と共に、個人と企業に対する カルチャー&イメージ・コンサルテーション、ビジネス・インキュベーションを行う。
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